いさなとり
海を目の前にすると、まるで「風景の終わり」とも言えるような感覚に襲われる。永遠というレンズを通して、私の視線は水平線の向こう側、つまり彼岸へと収束していく。
海に沈んでいく黄金色の太陽を見ながら、西方浄土を思い描く古代の太陽信仰が、今でも日本の寺院の儀式には残っている。私はそれを知った時、神や仏の存在を信じていなくても、信仰は私の中にあるのだと気付いた。私は、神と信仰が別物であることを知った。
鮮やかな極楽を見て、いったいどれだけの人が海に身を投じていったのだろうか。
私もわずかな信仰心と共に、海へ身を沈めた。
ー隼田大輔 |